用語分類: 商品・制度
税理士とは?
相続税申告は税理士に依頼するのが現実的です。申告の要否は基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人数を超えるかで決まります。全国の税理士登録者数は約8万人いますが、相続専業は少数派です。年間の相続税申告は約15万件しかなく、税理士1人あたり平均1〜2件/年にとどまります。報酬の相場は遺産総額の0.5〜1%で、1億円なら50〜100万円が目安です。書面添付制度を使うと税務調査のリスクが大幅に下がりますが、料金は10〜20%上がります。安すぎる事務所は申告漏れや過大評価のリスクがあるため注意が必要です。
目次
対策
「税理士」に直面したとき、または事前に備えるときの基本ステップです。
ステップ 1: 基礎控除を超えるか試算
基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人数。例:配偶者と子2人なら4,800万円。超えそうなら即依頼検討。
ステップ 2: 相続専業の税理士を3事務所ピックアップ
「相続税申告 年間取扱件数」「書面添付制度の利用率」「税務調査経験」を公開している事務所を選ぶ。
ステップ 3: 見積もりを比較
各事務所に遺産概要(不動産有無・預貯金・非上場株式の有無)を伝えて見積もり依頼。0.5〜1%が相場。
ステップ 4: 面談で相性確認
質問への説明のわかりやすさ、節税策の提案、書面添付制度の利用方針、税務調査時の対応方針を確認。
ステップ 5: 委任契約 → 申告期限10か月以内に申告
相続開始から10か月以内が期限。直前依頼は割高になるため、6か月以内には委任契約を結ぶのが理想。
税理士の定義
被相続人の遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超えそうな場合、税理士に依頼するのが実質的に必須となります。たとえば配偶者と子2人なら基礎控除は4,800万円、配偶者なしで子3人なら同じく4,800万円です。これを超えると相続開始から10か月以内に相続税申告が必要で、特に不動産・非上場株式・名義預金・生前贈与・国外財産が絡むケースでは素人による申告は危険です。
相続専業 vs 一般税理士の経験値の差:全国の税理士登録者数は 約8万人(日本税理士会連合会・令和6年)。年間の相続税申告件数は約15万件しかなく、税理士1人あたり平均1〜2件/年です。相続専業(年間50件以上扱う)の事務所と、年に1件あるかないかの一般税理士では、不動産評価減(小規模宅地等の特例で最大80%減)・非上場株式評価・名義預金の判定など、節税効果に 数百万〜数千万円の差が出ます。
報酬相場と書面添付制度:相場は 遺産総額の0.5〜1%。1億円で50〜100万円、3億円で150〜300万円。これに不動産評価加算(1物件5〜10万円)、非上場株式評価加算(1社10〜30万円)が乗ることがあります。書面添付制度(税理士法33条の2)を使うと、事前に税務署と意見聴取の機会が設けられ 税務調査の確率が大幅に下がるため、報酬が10〜20%上がってもトータルで得(調査リスク回避効果)。選び方:①年間取扱件数(10件以上が一つの目安)、②書面添付の利用率、③税務調査経験、④報酬体系の明確さ、⑤対応のわかりやすさ。最低3事務所で見積もりと面談を取って比較しましょう。
税理士が関係する事例
「使い込み」を疑われた次男──認知症の母の預金3,000万円をめぐる兄弟3年の戦い
認知症の母の通帳を管理していた次男が、母の死後に長男から「使い込み」を疑われた件。5年分の通帳照会で使途不明金が浮上し、次男の取り分は法定相続分1,500万円から800万円に減額。3年の調停と双方320万円超のコスト。
タンス預金2,000万円が税務調査でバレた──追徴課税800万円を支払った相続トラブル
父の死後、相続税申告では1億円と申告したが、税務調査で隠していた現金2,000万円のタンス預金が発覚。重加算税・延滞税を含めて追徴課税800万円が課された。半年に及ぶ税務調査と精神的プレッシャー。
孫名義の預金2,000万円が税務署に「名義預金」と否認──500万円の追徴課税を受けた家族
祖父がコツコツ積み立てていた孫3人名義の預金2,000万円が、税務調査で「名義預金」と判定され相続財産に算入。過少申告加算税を含めて500万円の追徴課税。贈与契約書の不備と通帳・印鑑を祖父が管理していたことが決定打に。正しい生前贈与の方法を公開情報・国税庁資料をもとに解説。
よくある誤解、質問
- 誤解1. 「税理士なら誰でも相続税は同じ」は誤り。相続専業と一般税理士では経験値に大差。
- 正しくは ── 該当箇所の本文を参照してください。
- 誤解2. 「相続税申告は自分でできる」のは財産が現金中心で単純なケースのみ。不動産・非上場株式・名義預金が絡むと専門家依頼が安全。
- 正しくは ── 該当箇所の本文を参照してください。
- 誤解3. 「報酬は安い方が得」は短期視点。節税効果や調査リスクを含めると、適正報酬の専門家依頼の方が結果的に得することが多い。
- 正しくは ── 該当箇所の本文を参照してください。
- Q1. 相続税申告は税理士に頼むべき?
- A. 基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える可能性がある場合、税理士依頼を強く推奨します。特に不動産・非上場株式・名義預金・生前贈与・国外財産が絡む場合は必須レベル。
- Q2. 税理士はどう選ぶ?
- A. ①相続税申告の年間取扱件数(10件以上が一つの目安)、②書面添付制度の利用率、③税務調査経験、④報酬体系の明確さ、⑤対応のわかりやすさ。最低3事務所で見積もりと面談を行い比較しましょう。
- Q3. 相続税申告の費用相場は?
- A. 遺産総額の0.5〜1%が目安。1億円なら50〜100万円。これに不動産評価加算(1物件5〜10万円)、非上場株式評価加算(1社10〜30万円)が乗るケースもあります。書面添付制度を利用すると報酬は10〜20%上がりますが、税務調査リスクが大幅に下がります。
根拠条文
- 税理士法 第2条(税理士の業務) (e-Gov 法令検索)
- 相続税法 第27条(相続税の申告書) (e-Gov 法令検索)
- 国税通則法 第65条(過少申告加算税) (e-Gov 法令検索)